追いかけてきたのは中庭。
「成実、どうしたの?」
2人そろって息があがる。
「あたし、何かしちゃった…?」
おそるおそる聞くと涙をぼろぼろこぼしながら成実があたしを見る。
「あたしは…池内のことが好きだったの、
同じクラスになって、一目惚れみたいな感じだった。
でも池内があすみのこと好きなことに気づいて…
あすみといると楽しいけど、苦しい…
さっきだって何でキスなんかしてんのよ!
あすみには安藤がいるじゃない!!!」
泣きながら苦しそうに成実が言った。
「成実…ごめん…」
あたしの横を去っていく成実に、あたしの言葉が聞こえたのかはわからなかった。
そのあと、あたしは、修学旅行で成実とおそろいで買ったストラップを見つめていた──

