「違うよ。」 耕平くんは突然低い声で言う。 「俺が優しくすんのはあすみだけだよ。 話しを聞くのはあすみが幸せでいてほしいからだよ。」 真剣な表情で言ってくる。 立ち上がってあたしの目の前に立つと、 「俺があすみのこと好きなこと、気づいてよ。」 そう言って、あたしにキスをしてきた。 あたしが固まっていたら、教室のドアのほうからバサバサっとなにかが落ちる音がして振り返ると成実がいた。 「成実…?」 なぜか泣き顔で走り去っていく成実をあたしはあわてて追いかけた。