「言ってもいいが邪魔しないことが条件だ」

そう言いきって、ちらりとラインの方を向くといつになく困惑した顔していた

『…リッツ、』
わずかに震えた声音が我の耳をうつ

「なんだ?」
返答を促してみた、きっと言いたい事があるのだろう

『本当っとに、君って、リッツは残酷だよね…僕に邪魔されたくないってことは“蜜人”関係でしょう?認めたくないけどさ』

そう言ったきり顔を背けて後ろを向いたきっり我の呼び掛けにも答えない 幼馴染み

夕闇色に溶け込むラインのプラチナブロンドが風に靡き眩しく感じた

それからどのくらいたっただろう
一分かも知れないし、実は一時間はたったかも知れない
夕暮れだった空が、藍色に染まり出してきた頃やっと顔を此方に向けないままであるが、無感情な声音で言ってきた

『いいよ、かなり嫌で、きっと君の蜜人には欠片も優しさなんて向けられないし、もし隙があったら容赦なく崖から突き落としたい気持ちもシェラール国に誓って抑えようリッツ、約束するよ。だから僕の………いやなんでもない』

そう言いきって振り向いた彼の、ラインの顔はいつも通りの笑顔だった