未来Magic


「よし、やっと出発」
「目的地はどこ?」
「…言っただろ。エメラルドシティだって」
「ああ、そっか」
エメラルドシティっていうのは、緑豊かなところ。
私は外になんて出たことないから、わくわくしてる。
…來にばれないといいのだけれど。

どうせばれたら、馬鹿にされるに決まってる。
“お前は子供か!”とか言ってさ。

「情報集めをしたいところなんだが…。どうしてこう、人が全く居ないんだ」
「そういえば…」
確かに、人が全くと言っていいほど居ない。

そこまで人は居ないとはいえ、やはりおかしい。
皆どこかへ行ってしまったんだろうか。

「ほら、行くぞ」
「…うん」
少し不安を残しながら、私は歩き出した。

「何も、起こらないよね」
そんな考えと共に。