「…なんだ…これ。苦し…っ!」
…やっぱり。
「來、なんか変な魔法でも使った?ここまでバランスが狂うとかそんなにないよ?」
「…言えない。ああもう苦しい!くっ…」
言えないのか。
まあ、隠したいことの1つや2つあるよね。
…私はもっと、この時深く聞けばよかったのかな。
そうすれば…。
「はい。お疲れー」
「はぁ、はぁ…。ちょっとこら麗…お前、たまに手抜いてただろ…」
來が呼吸を整えながら言う。
「ギクッ」
「分かりやすすぎる」
「…はいはい、病人は寝て寝て。まだ熱38℃あるんだから」
バランスが元に戻ったとはいえ、それに魔力を使いすぎて熱のほうにあんまり回復魔法を使えなかったから、あとは自力で頑張ってもらうしかない。
「でもまあ、ありがとな?」
「…う、うん」
なんで疑問系かはとりあえずおいておくことにした。
