「39℃ってどういうことですか」
「…俺が聞きたい」
そう、まさかの來の体温は39℃。
「確か、熱を下げるのはこうやって…うん、これでOK」
家にいたときに、本を読んでいたからこういう熱や怪我の対処はまあまあ慣れている。
「とりあえず、熱をできるだけ下げて、苦しまないように魔法かけるけど…。來、なんか体の様子というか、魔力のバランスがおかしいんだよね。それも整えるから、それまで頑張ってね。ごめん…」
返事ができない程苦しいのか、來はわかったとでもいうように、頷いた。
高熱とはいえ声は出るはず。
やっぱり魔力のバランスが関係しているみたいだから、魔力のバランスを整えることを優先したほうがいいみたい…。
まあ、來には最悪の選択肢だけど。
私もお母さん達がいたときそういう魔法かけて貰ったんだけど、苦しすぎて。
しかも暑くて。
体の中を焼かれてるような感じだったから…。
昔のことを思い出しながら來に魔法をかけていく。
「回復魔法、リカバリィ。発動!」
