「なんでこんなことに…」
遡ること数時間前。
「…は?風邪ひいた?」
突然來が風邪をひいたという。
「…ごめん。出発延期」
「熱ある?大丈夫?おーい。…大丈夫じゃないなこれ」
話しかけても全然答えない來。
これは無視されているのか。
それとも熱のせいなのか。
どっちにしても悲しい!
「暑い」
「あ、ホントだ。來熱い。カイロ超えて暖炉くらいいってるって。やばいよ。どうしてこうなった?え、どうすればいいの」
「…お願いだから麗、落ち着いてくれ…」
…ごもっとも。
來は水族だから体温はそんなにいつも高くないんだけど…。
これは尋常じゃない。
「はあ。ほら、熱測って」
「…ん」
