え、何言ってるの?
私が、悪魔…?

なんで。なんで。どうして。
「人間じゃないことくらい分かってたよ…。でも、でもさ、悪魔って。酷すぎるよ。物語の中の存在にされてる悪魔が、大嫌いな悪魔が自分って…。笑えるよね、はは」
こんなこと言ったって何も変わらない。
そんなの、わかってるよ…。

「…今まで黙っててごめんな…」
そう、來が今にも消えそうな声で言ったのを聞いて、やっと正気に戻った。

「來は悪くないから。…ん?でもなんで來がこれで信じられなくなるわけ」
「え…えと、そ…それはだな…」
…よっぽど言いたくないことなのか。

「別に、無理に言わなくていいよ」
その言葉の後、少しの沈黙が流れた。

「…言うよ。これを聞かないと、絶対後悔する」
これを聞いて逆に後悔するなんて、知らなかった。
今の私には。