家に帰ると篤が家で怖い顔をして携帯を弄っていた。

私が

「どうしたの?」と聞くと

無視された。

もう一回聞いてみた。

すると、篤はいきなり携帯を中心から

バキッ! と折った。

そして、どんどん私の方へと近づいてくる。

怖くなって後退りしていると

何かに当たった。

壁だ。 もう逃げられない。

ギュっと目を瞑っていると

篤は、私の耳元でこう言った。

「お前、今日誰と話した?」

一瞬、ドキッとした。

「何で?」

と、聞き返す。

「いいから、質問に答えろ」

この時の篤はとてつもなく怖かった。

最初は、女子の名前を言っていった。

そして、一人の男の子が頭の中に浮かんだ。

どんどん、顔が青ざめる。

「どうしたんだ?」

と、ニヤニヤしながら聞いてくる。

私は、黙ったまま。

「言え。怒らないから」

と、言われて少しだけ安心した。

そして、私はその男の子の名前を言った。

「裕」

と、言うと篤は

「ちょっと来い」

と、言われた。

私は、ドキドキしながら篤について行った。