「美耶~!!…わっ!」



叫びながら走って飛び込んで来た人物をさっと避ける。


「美耶ぁ~なんで避けるのさ!!」



なんとか転ばずに済んだらしいこの人物…いや、明るめの茶色い髪を揺らしながらうるっとした瞳で見つめてくる様子はまるで子犬。

っていうか、わんこ。



『逆になんで走ってくるのよ?』



毎朝の事に思わずため息がもれる。



「それは、美耶に早く会いたいからに決まってるじゃん♪」

『…………』



…よくもまぁそんな事をニコニコしながら言える。



「えっ、そこ黙るとこ!?」



なんて言えと?

『あたしも♪』とか?


…いや、無理だから。