ひまわり(第2章まで公開)

「なんか、遊園地を独り占めしてるみたいで気持ちいいね!」
沈黙にならないようにしているのだろうか。
「あ、2人だから独り占めじゃないか」
いや、俺のことを気にかけて、無理をしているのかもしれない。
隣に並ぶ彼女は、ひたすらしゃべり続けては、返事がなくても1人で笑っている。
そんな姿を見るたびに、俺はまた罪悪感を抱いていた。
これ以上、無理をさせたくはないのに、何も言葉が浮かばない。
俺の存在自体が彼女を苦しめているのかもしれない、と思った。
そのとき、彼女の鞄の中から、突然、柔らかな音楽が流れ出す。