「俺、最低だった。…許してもらえるとは思ってないけど、ちゃんと謝りたい」
狭い観覧車の中で、俺は深く頭を下げる。
「本当に、ごめん」
彼女を傷つけてしまったことを、ずっと悔やんでいた。
自分をどこまでも最低にして罪を揉み消そうとしても、目に焼きついたあのときの泣き顔が消えることはなかった。
後悔しても、謝っても、した事を消せることは出来ない。
だけど、もう二度と会えなくなるのなら、今、ちゃんと謝っておきたい、そう思った。