好きだから、とは言えなかった。
伝わらないからといって、こんな風に気持ちをぶつけ、泣かせている俺が言える台詞じゃない。
“むかつくから”
俺はかすれた声でそう答え、掴んでいた手首を放していく。
自分に対して嫌悪感を抱いた。
取り返しのつかないことをしてしまった、と。
そして俺は、その後すぐ、教室に訪れた三浦に殴られたんだ。