ひまわり(第2章まで公開)

あと30分で閉まるという放送が、園内に響きわたる。
周りを見渡すと、いつの間にかこの場所には俺たち2人だけになっていた。
「そろそろ時間だよ」
彼女の背中に向かって、話しかける俺。
ぼんやりと花を眺めていた彼女は、一度、空を見て、深呼吸をした後、笑顔で振り返る。
俺らは会話もせずに、ゆっくりと出口に向かって歩いていた。
タイムアップか、と俺は心の中でつぶやく。
0時を迎えるシンデレラの気持ちが、少しわかった気がする。