ひまわり(第2章まで公開)

早く切り上げて、もう帰ろうかとも考えた。
だけど、まだ一緒にいたいんだ。
帰ってしまえば、もうこんな日は来ないと思うから。
もう少し、もう少しだけ一緒にいたい。
決して、淡い期待なんか抱かない。
自分がしたことを忘れたわけでもない。
三浦の彼女だってことも、十分に承知している。
だけど、帰りたくないんだ。
「はい、豊川も濡れてるよ」
彼女は今も、こんな風に俺の分までタオルを買ってくる。
まだ、帰りたくないんだよ。