ひまわり(第2章まで公開)

叶わなかった想いが、また胸の奥からじわじわと湧き上がってくる。
随分と長い間、この痛みを抱えていたせいで、最近はこんな気持ちになることにも慣れてきたような気がする。
花に全く興味の無い俺が、ひまわりの花言葉だけ覚えているのは、ある1人の女が言った台詞だからだ。
“この花ってね、つぼみの時期から花が咲く頃まで、ずっと太陽の動きに合わせて育つんだって。そういうところから、花言葉はあなたを見つめるになったらしいの”
ひまわりと自分を重ねる彼女。
その横顔はキラキラ眩しくて、彼女を黙って見つめていた俺は、泣き出しそうになる感覚を必死にこらえていた。
友人と同じ相手に、恋した自分。
だけど、彼女が意識したのは友人の方だった。
自分も好きだと言えず、友人の恋を手伝ったりしていた馬鹿な俺。
彼女の気持ちを知ったとき、2人を繋げるためにしてきた行動や、言った台詞を、全て白紙にしたいと強く思った。