ひまわり(第2章まで公開)

冷たい飲み物のボタンを押して、ジュースを拾うまでの間、深くため息をつく。
視界に入る家族連れやカップルは、しんどそうにしていても、どこか楽しげで。
それに比べて、会話もなく、ただ順番が来るのを待つ俺たちは、はたから見れば別れる寸前のカップルと思われるだろう。
人からどう見られてるとか、そんなこと気にしてはいない。
俺は坂下との空気が一向に変わらないことを、なかなか動かない列の中で待つことよりも苦しく感じていた。