ひまわり(第2章まで公開)

トボトボ歩いて彼女から離れても、俺の耳は後ろに集中していて。
自転車のキーを鞄の中に入れる音が、胸の奥を痛めた。
せっかく会えたのに、彼女は店の中へ入ってしまう。
そう思った瞬間、俺は意を決して振り返った。
「あのさ!」
声をかけると、彼女はぴたりと立ち止まり、ゆっくりとこちらに顔を向けた。
「三浦と仲直りした?」
こんなこと聞いても、迷惑だと思われるだけだ。
俺は坂下に嫌われている。
だけど、わかっていても、自分を止めることが出来ない。