ひまわり(第2章まで公開)

あ……と声が漏れた。
だけど、突然すぎて、それ以上の言葉が出てこない。
駅からも遠く、家から離れたこんな場所に制服姿でうろついているとか、学校の帰り道だと言っても完全に信じてもらえない。
だからといって、坂下に会えるかなと思って、なんて言えるわけでもない。
「あ、この近くに…友達が住んでてさ」
咄嗟に出た言い訳は、これだった。
自転車のハンドルを握ったまま、坂下はジッと俺の顔を見る。
「…何？」
俺は平然を装いながら、反対に聞き返す。