ひまわり(第2章まで公開)

髪の毛も伸び、薄っすらとメイクまでして、知らない間に大人っぽくなっていた坂下。
でも、無理して笑うところや、何でもかんでもすぐに自分のせいにしてしまうところは、中学の時と変わっていない。
久しぶりに会話をした。
久しぶりに横顔を近くで見た。
俺は再会したことを忘れるどころか、彼女と関わったことで、心に微熱まで持ち始めている。
悟のことで悩んでいる広美ちゃんを見ても、わいてこなかった気持ちが胸の中に広がっていた。
「今のあたしって、飽きられた人形みたい」
あのとき腹が立たなかったのは、悩みの相手が自分の親友だからなのだろうか。
それとも、広美ちゃんにたいしての気持ちが無くなったからなのか。
いや、そうじゃない。
俺は、坂下だから放っておけないんだ。