ひまわり(第2章まで公開)

俺は寝返りをうつふりをして、悟に背を向けた。
「なんで夏休みまで、お前らカップルの熱々ぶりを見なきゃなんねぇんだよ。2人で行ってこいよ」
孤立するのが目に見えていて、わざわざ参加するほど俺は馬鹿じゃない。
この前みたいに、喧嘩とかされたら、めんどいだけだし。
「いいじゃん、大勢の方が楽しいし。あ、健二もさ…」
「いねぇよ、女なんか」
きっと俺に彼女がいたら、4人で行こうと思ったのだろう。
聞かれる前にいないことを告げると、悟はふぅっとため息をついた。
誘えば、尻尾を振りながら行くと言いだす女は、それなりにいる。
でも、好きでもない女を悟たちの前に連れていきたいと思わないし、そこまでして一緒に旅行をしたいとも思わない。
だから、横でブーブー言ってきても、俺は行く気がない態度でいた。