ひまわり(第2章まで公開)

やれやれというかのような態度でベッドから離れた兄貴は、大輔の肩を押すようにして、部屋から出ていく。
「夏休み、みんなで旅行するから、今年は来いよ」
廊下へ出た兄貴は、冷静な口調でそう言い残し、ドアを閉めた。
1人になった俺は、込み上げてくる怒りをこらえながら、兄貴の跡がついた布団を見下ろす。
「行くわけねぇだろ」
枕をドアに投げつけて、俺はポツリとつぶやいた。