「じゃあ、またな!」
俺たちを置いて、友人は彼女との待ち合わせ場所へと急いでいく。
…あの野郎。
俺は顔をゆがめて、その後姿を睨んでいた。
シーンと静まり返るこの空間を、どうしようかと考えながら、髪の毛を触る俺。
「じゃあ、そろそろ…バイトに戻るね」
「…あ、うん」
向こうも気まずかったのだろう。
そそくさと俺の側から離れ、彼女はジュースの缶を捨てにいく。
くずかごまで歩く姿を見つめながら、俺はこの前の出来事を思い出していた。
三浦とは、うまくいってないのだろうか。
もう、仲直りはしたのだろうか。
そんなことばかり考えてしまう。
ボーっと突っ立っていると、缶を捨てた彼女が折り返すようにして、こちらへ歩いてくる。