ひまわり(第2章まで公開)

だけど、こんなときって大概、自分が嫌だと思う方に事が進んでしまう。
今までの経験上、俺の運はこういったときに発揮されることはなかった。
小学生の時も、ちゃんと宿題はやっているほうだった。
でも、たまにさぼって遊ぶこともある。
そういうときに限って、次の日は授業で当てられてしまう。
やばいと思いながら、俺はこの場からどうやって逃げようかと悩んでいた。
「この前、高志がさ」
冷や冷やしている俺の態度に気づくこともなく、友人はだらだらと話し続ける。
散歩していたと答えただけに、急ぐフリも出来ない。
俺の思考回路は、完全にもつれていた。
友人の話なんか上の空で、俺は彼女の視界から外れたいという一心で、目を泳がせていたと思う。
そんなときだ。
「あ、坂下ぁ!」
友人が、こっちをずっと見ている彼女の視線に気がついた。
俺って、本当についてない。
ブンブンと大きく手を振る友人を眺めながら、俺は小さなため息をつく。