ひまわり(第2章まで公開)

「…今のあたしって、飽きられた人形みたい」
不服そうにしていた彼女は、別れ際、その言葉を残して、マンションの中へ入っていった。
俺は深いため息をついて、その後姿を眺める。
彼女の気持ちがわからない訳でもない。
「今、送ってきたよ」
来た道を戻りながら、俺は悟に電話をかけた。
「ありがとう。…なんか、ごめんな」
聞こえてくる悟の声は、いつもより暗かったけれど、もう怒ってはいないみたいだった。
「お前さぁ、もっと大事にしてやれよ」
2人の問題に口を挟んだりはしたくないけれど、今回は彼女の肩を持ってあげようかなと思った。
「エッチのときだけ近づくのは、可哀想なんじゃね?」
ここで俺が悟側につけば、問題は解決されないだろうから。