ひまわり(第2章まで公開)

「付き合い始めたときと比べたら、全然違う。一緒にいても放ったらかしだし。珍しく近づいてきたと思ったら、エッチなことしかしてこない」
ふてくされた口調で、彼女は悟に対しての愚痴を並べていく。
それを聞いた俺は、彼女には申し訳ないけれど、少し口元を緩めてしまった。
要するに、彼女の求めている関係を、悟は理解していないってことか。
女というのは、いつも新鮮な気持ちでいたい生き物だ。
それに反して、男は空気みたいな関係を求めてしまう。
だから、長く付き合えば、そういったところから少しのズレが出てくるのかもしれない。
俺は今まで付き合った女たちのことを思い出していた。
「だけどさ、好きじゃなかったら、毎月毎月、バイト先に呼んだりしないんじゃない?」
長く女と付き合ったことのない俺が言うのもアレだけど、女って自分勝手なところもあると思う。
付き合いだしたときは深い関係になりたがるくせに、居て当たり前のようになると、大事にされてないって言ったりするから。
悟のことをかばうわけではないけれど、今までの女がそうだっただけに、俺は彼女が言ってほしい言葉を口にはしなかった。
納得がいかないというかのような態度で、彼女は沈黙した。