ひまわり(第2章まで公開)

「いい加減にしろよ!!」
悟の堪忍袋の緒が切れたのは、3皿目の料理が運ばれたときだった。
「いつまで怒ってんだよ!?」
よっぽど我慢をしていたのだろう。
悟は顔を真っ赤にして、突然、怒鳴り始めた。
向こうにいる従業員も、覗くみたいにしてこちらを見ている。
他の客もいない暇な時間だから、思わず感情が表に出たのかもしれない。
だけど、ここで彼女が泣くのはやばいんじゃないか?
「サトは全然、反省してない!!」
広美ちゃんは目に涙を浮かべて、声を張り上げる。
「謝ってんだろ!!」
「悪いって思ってないじゃん!!」
「まぁまぁ、落ち着けって。悟も仕事中だろ?」
怒鳴りあう2人の間に入って、俺は喧嘩を止めようとする。
だけど、興奮状態になっている2人には、俺の声なんか全く聞こえていないみたいで。
結局、店長らしき人が来るまで、悟はキレ続けていた。