ひまわり(第2章まで公開)

聞いてもいないのに、嬉しそうな顔で料理の説明をする悟。
その姿を見ていると、本当に作ることが好きなんだなぁと思う。
「言われなくても、名前に“照り焼き”って入ってるから、なんとなく想像はつくよ」
クスクス笑う俺は、手前にある小皿にサラダを取っていく。
そして、チラリと広美ちゃんの表情を見た。
「広美、小皿貸して。俺が取ってやるよ。お前、チーズ好きだもんな！」
機嫌を取るかのように、悟は満面の笑みで話しかける。
だけど、彼女はムスッとした顔で、そっぽを向いたまま。
今日の彼女は、会ったときからずっとこうだ。
俺に挨拶するときも目は笑っていなかったし、悟に対しては思いっきり態度が悪い。
原因が自分だとわかっているのだろう。
返事をしない彼女に何か言うこともなく、悟は勝手に皿を取り、サラダを盛っていく。
ぶっちゃけ、こういうときに俺を呼ぶのはやめてほしい。
険悪なムードの中、俺は静かにウーロン茶を口にする。