ひまわり(第2章まで公開)

「坂下、なんでキレてんの?」
うつむいたままの三浦に、俺は理由を聞こうとした。
彼女があんな風に怒るなんて珍しかったから、何があったのか気になっている。
すると、三浦は下唇をギュッと噛み、鋭い目つきで俺を見た。
「お前には関係ない」
その言葉を置いて、彼はふてくされた表情で去っていく。
「友達?」
俺たちのやり取りを静かに眺めていたユリは、三浦の姿を目で追う俺に問いかけてきた。
「ん?…全然」
俺はにっこりと微笑んで、首を横に振る。
友達だなんて呼べるわけがない。
最後に言われた台詞が、この関係の全てだと思う。
そう、俺には関係のないことだ。
今更、あいつらと再会したって、何かが変わるわけでもない。
俺は三浦を裏切り、坂下を傷つけた人間なのだから。