ひまわり(第2章まで公開)

「そっちのやきそば、少しちょうだい」
泳ぎ疲れた俺たちは、海の家で軽くご飯を食べていた。
広美ちゃんの口に、箸で挟んだヤキソバを運ぶ悟。
その光景を見た俺は、自分のやきそばを坂下の前に置いた。
「食っていいよ」
そう言うと、坂下は笑いながら首を横に振った。
本当にいらないのか、それとも遠慮しているのか、俺はその笑顔を見ながら考えている。
こんな自分が、本当にダサくて恥ずかしい。
でも、目に見えない距離が遠く感じて、恐くなる。