ひまわり(第2章まで公開)

俺たちは各部屋で荷物を置いた後、支度を済ませて、海に泳ぎに来た。
「まぶい…まぶいよ」
お調子者の悟は、俺の腕をバンバン叩きながら、向こうで服を脱いだ広美ちゃんにうっとりした様子。
「古臭い台詞で言うなって」
悟の頭をポンッと叩いて、俺はケラケラ笑う。
薄い黄色の水着で、広美ちゃんと仲良く話す坂下の姿。
悟の言うまぶしいって言葉は、ピンポイントをついていると思う。
広美ちゃんの裸なんて何度も見ているはずの悟が、水着姿に見とれるのは、いつもと違う感じだから。
俺だって、他の女の裸を何度も見てきたし、海だって数回、女と来た事がある。
だけど、今、こうやって坂下の姿を直視できないのは、好きな女が水着で目の前にいるってことにドキドキしているからなのだろう。