ひまわり(第2章まで公開)

「まぁ、それぐらいにしとけよ!! さ、帰ろうぜ!! えっと、駅はこっちだったっけ?」
うつむいて黙る俺と、その姿をジッと睨む広美ちゃんの間に入り、悟は空気を変えようとしていた。
俺はうんと頷きながら、もう一度、広美ちゃんを見る。
「ありがとう」
さっきの強い口調とは裏腹に、彼女の表情は辛そうで、俺は去っていく背中に礼を言った。
振り返った広美ちゃんは、うんと静かに頷いて、悟と一緒に帰っていく。
1人になった俺は、今までの自分を思い出し、そしてため息をついた。