ひまわり(第2章まで公開)

「突き飛ばしたりして、悪かったよ」
何も知らなかったのだから、悟は悪くない。
俺は感情的になったことを反省し、頭を下げた。
「俺、あの子に謝ってくるわ。何も考えずに、色々言っちゃったし」
ガードレールにもたれていた悟は、クシャクシャと髪の毛をかきながら、向こうにあるファミレスへ戻ろうとする。
「もういいって。…どうせ、こんなこと続かねぇし。遅かれ早かれ、こうなってたんだよ」
引き止める俺は、ケラケラ笑って平気そうに振る舞った。
だけど、ずっとは続かないってわかっていたはずなのに、胸が張り裂けそうなほど辛い。
そのとき、ずっと下を向いて話を聞いていた広美ちゃんが、俺の方を見る。