ひまわり(第2章まで公開)

「やめなって!ごめんね、なんか悪いことしちゃったんだよね?ごめんね!」
近い距離で睨みあう俺たちの間に入り、広美ちゃんは慌てて喧嘩を止めようとする。
必死に謝ってくる彼女を見て、俺は悟の手を払い、しわになった制服を直した。
同じように彼女に抑えられ、悟も深く息を吐いて落ち着きを取り戻していく。

「え…。じゃあ、あの子が?」
数分後、坂下のことを説明した俺は、驚く広美ちゃんの言葉にこくりと頷いた。
黙って聞いていた悟も、口を開けたまま、ビックリした表情でいる。
俺に忘れられない女がいることを、2人は知っていた。
だけど、それがまさかあの店員だとは思ってもいなかったのだろう。
2人は申し訳なさそうな表情になり、急に怒った俺の気持ちを理解した様子。