正直に言えば、悟のことが羨ましい。
それは、広美ちゃんと付き合っていることではなくて、1人の女に夢中になれるところに対してだ。
この1年半、何人もの女を見てきたが、今日の女も含めて、みんな同じように見えてしまう。
中学時代や広美ちゃんに恋をしていたときのように、熱くなることは無い。
「ねぇ、うちでも良いよ? ここから近いし」
隣に並ぶ女は、俺の腕に絡みついて、上目遣いで声をかけてくる。
こんな軽い女とばかり遊んでいても、出逢えるわけがないのかもしれない。
だけど、他に出会いがあるわけでもないし、寄ってくる女でいいかと思う気持ちもある。
恋をすれば、良いことばかりでもないから。
「そうだね。じゃあ、ユリちゃんの家に行……」
俺は優しく微笑みながら、女の家へ行こうとしていた。
そのとき、通り過ぎようとしていた店の中から、人が飛び出してくる。
ドンッとすごい勢いでぶつかってきたせいで、俺は思わず舌を噛んだ。
「…いってぇ」
ぶつかられたところよりも、口の中が切れた痛みのほうが強い。
それは、広美ちゃんと付き合っていることではなくて、1人の女に夢中になれるところに対してだ。
この1年半、何人もの女を見てきたが、今日の女も含めて、みんな同じように見えてしまう。
中学時代や広美ちゃんに恋をしていたときのように、熱くなることは無い。
「ねぇ、うちでも良いよ? ここから近いし」
隣に並ぶ女は、俺の腕に絡みついて、上目遣いで声をかけてくる。
こんな軽い女とばかり遊んでいても、出逢えるわけがないのかもしれない。
だけど、他に出会いがあるわけでもないし、寄ってくる女でいいかと思う気持ちもある。
恋をすれば、良いことばかりでもないから。
「そうだね。じゃあ、ユリちゃんの家に行……」
俺は優しく微笑みながら、女の家へ行こうとしていた。
そのとき、通り過ぎようとしていた店の中から、人が飛び出してくる。
ドンッとすごい勢いでぶつかってきたせいで、俺は思わず舌を噛んだ。
「…いってぇ」
ぶつかられたところよりも、口の中が切れた痛みのほうが強い。



