ひまわり(第2章まで公開)

去っていく背中を眺める俺は、掴んでいたサンドウィッチを皿の上に戻して、テーブルの端にあるボタンを押した。
ポンという音が鳴り、彼女は店の奥に表示される番号を確認する。
そして、クルッと振り返り、ゆっくり俺の方へ戻ってきた。
「何?」
あきらかに、俺を客として見ていない彼女。
一口も飲んでいない水をグイッと飲み干して、俺は空になったグラスを彼女に見せる。
イラッとしたのだろう。
彼女はため息をついて、ふくれっ面で水を取りにいった。