ひまわり(第2章まで公開)

「…大丈夫だよ、心配しなくても」
店内を見渡す俺に、そっと囁く彼女。
よく言うよ、と思った。
そんな顔をして、大丈夫なわけないだろ。
俺は手を拭いていたおしぼりを、ポイッとテーブルの端に置いた。
そして、返事をしないまま、ツナサンドを口にする。
向こうの席から雑音が聞こえてくるほど、俺たちは静かだった。
「じゃあ、行くね」
沈黙を重たく感じたのだろうか。
彼女はきまずそうな顔をして、側から離れていく。