ひまわり(第2章まで公開)

彼女は俺がしたことを、忘れたと言って流した。
それは、責められるよりも酷な答えであり、余計に罪悪感が募っていく。
観覧車を降りてからの俺は、もう彼女には関わらないでいようと決めていた。
これ以上、苦しめたくなかったから。

なのに、今の俺は学校帰りに、彼女が働く店の前で立っている。
「どうしたの!?」
中に入ると、入り口付近で立っていた坂下は、いらっしゃいませと最後まで言わず、驚いた表情で聞いてくる。
「お一人様です」
質問には答えず、俺はあくまでも客として接していく。