メニューを渡して友人の歌を静かに聴いていると、女は俺の耳元にそっと手を置いて身を乗り出してくる。
「休憩」
そっと囁かれた言葉。
彼女の求める場所の意味を理解した俺は、友人の1人に声をかけて、静かに部屋から抜け出していく。
女を連れて歩く俺は、薄暗くなっている空をぼんやりと眺めていた。
俺が悟より子供だと思うのは、こういうところだ。
以前の悟は、広美ちゃんのことを諦めていて、俺と同じように女遊びをしていた。
俺も広美ちゃんに真剣な姿を見せようと、携帯電話に入っている女の番号を全て消去し、一時期は他の女との関係も切っていた。
1人の女に絞るというのは、結構、気持ちがいいもので。
一途になれた自分に酔っていたところもあったと思う。
だけど、広美ちゃんが悟と付き合うようになってから、俺は目的を失くし、また不特定多数の女と遊ぶ毎日に戻ってしまった。
変わったところがあるといえば、彼女という存在を作らなくなっただけ。
状況は悪化しているのかもしれない。
「休憩」
そっと囁かれた言葉。
彼女の求める場所の意味を理解した俺は、友人の1人に声をかけて、静かに部屋から抜け出していく。
女を連れて歩く俺は、薄暗くなっている空をぼんやりと眺めていた。
俺が悟より子供だと思うのは、こういうところだ。
以前の悟は、広美ちゃんのことを諦めていて、俺と同じように女遊びをしていた。
俺も広美ちゃんに真剣な姿を見せようと、携帯電話に入っている女の番号を全て消去し、一時期は他の女との関係も切っていた。
1人の女に絞るというのは、結構、気持ちがいいもので。
一途になれた自分に酔っていたところもあったと思う。
だけど、広美ちゃんが悟と付き合うようになってから、俺は目的を失くし、また不特定多数の女と遊ぶ毎日に戻ってしまった。
変わったところがあるといえば、彼女という存在を作らなくなっただけ。
状況は悪化しているのかもしれない。



