「なんで、ここにいるんだよ!?」
急いで彼女の部屋に向かうと、広美は携帯を持ったまま、そこにいた。
「実は、お昼に帰ってきてたんだよね…」
照れくさそうに、ニッコリと微笑む彼女。
その笑顔を前にして、俺は全身の力が抜けてしまった。
「…彼氏と別れちゃった。なんか、あたし…想われてなかったみたい」
あ然とする俺に、広美は情けなさそうに説明をする。
「エッチを断ったら、急に冷たくされちゃって…」
無理に笑いながら話す姿が、胸をきつく締め付けてくる。
何も言えず、俺は彼女の潤んだ瞳を見つめていた。
「…ふられちゃったよ」
瞳と鼻の先を赤くして、広美はおかしそうに笑い続ける。