次に向かった場所は、若者がよく遊ぶ繁華街。
活気のある人込みをすり抜けながら、走っていく。
「きゃはははは！」
「次、何買う？」
どこにいるんだよ！？
「マジで？　すっげぇ」
「なんか食べようよ！」
こんなに人がいたら、全然わかんねぇし！！
方々から聞こえてくる人の声で、余計にいらだちが増していく。
片手に持った携帯電話の時間を気にしながら、俺は息を切らして立ち止まる。
キョロキョロと辺りを見渡しても、広美の姿はない。
「今、どこにいるんだよ！？」
元カノに電話したり、公園にいた子供たちを見て、思った。
今の俺は、昔と違って、広美のことを何も知らない。
すっげぇ距離があるってことを…思い知らされた。