「また出かけるの?」
行き詰まった俺は、再び玄関へ向かい、靴を履く。
話しかけてくる母親の声に答えることもなく、バタンとドアを閉めて。

「って、こんな所にいるわけねぇじゃんか!」
ダッシュでたどり着いたのは、近くにあるちっぽけな公園。
そこは、小さい頃、広美とよく遊んでいた場所だった。
見渡しても、視界に入るのは子供と遊具だけ…。
俺は、無邪気に遊ぶ子供たちを眺め、昔を思い出す。
そして、ため息をついて、その場を離れた。