みずたま(第3章まで公開)

得意げにペラペラと出てくるのは、この間まで小学生だったとは思えないほどの台詞。
「…マセガキ」
俺はあきれた顔で、ポツリとつぶやいた。
「聞こえは悪いけどさぁ、誰でもやってることじゃん?…あ、さっそくメールきた」
そう言って、竜介は鳴り響く携帯を手に取り、ピコピコと指を動かしている。
「どこで、そんなこと覚えてくるんだよ」
彼のにやけた横顔を眺めて、突っ込む俺。
「ん~、姉ちゃんの漫画とか…ドラマとか見て?」
「少女漫画かよっ」
「ちょっ、あれは馬鹿にできねぇって。結構、勉強になるんだよ。女心とか…」