俺は急いで、俺の体を揺らす女の手を、手前に引いた。
「ちょ、悟…」
とまどう声をふさぐかのように、キスをする。
されるがままの女に触れながら、耳は玄関の方に集中していた。
かすかに聞こえてくる、母親とアイツの会話。
俺は慣れた手つきで、女の服を脱がしていく。
「サト、部屋にいます?」
明るい声とともに、こちらへ近づいてくる足音。
俺は部屋の扉を横目で見ながら、甘い吐息を漏らす女の肌に、顔を埋めていく。
「サト、DVD返し…」
何の迷いもなく、広美は扉を開いた。