「悟ぅ、起きてよぉ」
土曜の午後、暑苦しい外にいたくなくて、俺は付き合ったばかりの女を家に入れた。
「ごめん。昨夜、健二たちと遊んでたから、眠いんだよ」
今回の女は、“毎日、一緒じゃなきゃ嫌”って感じの面倒くさいタイプ。
「あたし、暇になるじゃん」
女は俺の体を揺らしながら、必死に起こそうとしてくる。
『じゃあ、帰れよ』なんて、親友“健二”に紹介してもらった相手だから言えるわけがない。
俺は適当に返事をしながら、枕に顔を埋めて、目をつぶっていた。
その時、インターホンの音が家の中に鳴り響く。
直感で、誰が来たのかがわかった。
眠気は、一瞬で覚めてしまう。