みずたま(第3章まで公開)

「どうしたのっ?」
詳しく話すと、健二はおかしげに吹き出した。
「わかんねぇ」
俺は情けない表情で、自分の黒い髪をクシャクシャにかきまぜた。
健二が笑うのも、当然だろう。
俺は、健二と同じ“来る者拒まず、去る者追わず”な男だったから。
そして、寄ってくる女には、簡単に手を出していた。
たとえ、相手が彼氏持ちの女だったとしても、友人たちが側にいたとしても、相手や場所なんか関係なく、楽しければいいと思う人間だった。
それなのに、昨日はキスだけで精一杯になり、体に触れることすらできなかった。