みずたま(第3章まで公開)

昨日、俺は引かれた境界線を破るかのように、彼女にキスをした。
“これを越えなきゃ、広美を手に入れることなんかできない”
やっと巡ってきた、チャンス。
これを逃せば、いつまでも幼なじみのまま。
でも、重ねるだけで精一杯だった。
力が入りすぎて、唇は震えていたかもしれない。
数秒後、俺はつながる部分をゆっくりと離していく。
そして、皿に残っているフルーツを口にして、緊張をほぐしていた。
チラッと見れば、広美は何か思い詰めた顔で、元の姿勢に戻っていく。