みずたま(第3章まで公開)

「キスもできねぇ女が、エッチできんの?」
小馬鹿にした言い方で、挑発する。
広美はムッとした顔で、俺をにらんだ。
そして、数秒後、意に満たない態度のまま、両手を前につく。
ひざから上を浮かせて、彼女はゆっくりと近づいてきた。
…マジで?
俺は、数センチ先にある彼女の顔に、ドキドキしていた。
でも、動揺していることがバレないように、俺は彼女から目をそらさない。
とまどいながらも、広美は唇を俺の口元に寄せてくる。
だが、ほんの少しの距離を置いて、とどまった。
多分、これが…彼女の精一杯。
俺は、広美にとって、キスさえもできない相手。