みずたま(第3章まで公開)

飄々と手慣れた様子で、たたずむ俺。
でも本当は、頭の中なんかパンク寸前で、心臓が破裂しそうになっている。
俺は、必死に平静を装っていた。
広美は困り果てた表情で、震える唇にキュッと力を入れる。
そして、こう言った。
「別に、キスなんか…する必要ないじゃん」
強腰で、歯向かうかのような瞳。
俺は、その言葉に、すぐ返事ができなかった。
やっぱり、広美は俺を好きじゃない。
わかっていても、こんな風にハッキリ言われると、正直…きつい。
俺はショックを隠し切れず、少し視線を落とす。
だが、ムキになり、すぐに彼女を見上げた。