みずたま(第3章まで公開)

「本当…に?」
傾いていたドアノブは、カチャという音とともに、ゆっくりと元へ戻っていく。
思いも寄らない返事に、広美はとまどい、ドアを開ける力さえ失っていた。
「捨てたいんだろ? 処女」
俺は仕方ないと言わんばかりに、ため息をつきながら、そう答えた。
まるで、特別な感情などひと欠片もないかのように…。
“処女を面倒くさがる彼氏に嫌われないように、経験のある幼なじみの俺とSEXをする”
正直…あきれた。
普通、女って、初めては大事にするものだと思っていたから。
俺の周りにいる女は、ハッキリ言って、SEXを簡単にとらえているやつばかり。
俺だって、その中の1人。
でも広美は、広美だけは、広美だからこそ…適当に捨てたりはしてほしくなかった。
そんな女じゃないと思ってたんだ。
「…うん」